膀胱が過剰に反応(活動)する疾患

頻尿や尿意切迫感で悩む人(特に女性)が増えています。
“過活動膀胱”という疾患です。“過活動膀胱”とは読んで字のごとく膀胱が過剰に反応(活動)する疾患で、ちょっとした神経の異常や膀胱の異常、精神的要素などの影響で膀胱が発作的に突然収縮する病態です。
症状としては尿意切迫感が中心となり、それに頻尿や尿失禁などを伴うこともあります。

  • 尿意切迫感:急に起こる、抑えられないような尿意で、我慢することが困難なもの。
  • 昼間頻尿:日中の排尿回数が多すぎる状態で1日8回以上が相当します。
  • 夜間頻尿:夜間排尿のために2回以上起きなければならない状態。(飲酒やお茶のとりすぎで何度も起きるのは夜間頻尿と言うよりも夜間多尿のことが多い。)
  • 切迫性尿失禁:尿意切迫感と同時または尿意切迫感の直後に、ふと尿が漏れてしまうこと。

過活動膀胱の患者さんは2002年に行った全国のアンケート調査の結果から40歳以上の12.4%、約810万人と推定されています。
その中で過活動膀胱のために、家事、仕事、旅行、性生活、人付き合い、心の健康など生活全般に影響を受けていると答えた人は半分にのぼります。

膀胱の機能について

私達は無意識の状態で尿を膀胱に溜め(蓄尿)、尿意を感じたときあるいは尿意がなくても尿を排出(排尿)することができます。
蓄尿と排尿とは自律神経(鹿鳴.巻96)である交感神経と副交感神経によってコントロールされています。
膀胱に尿が溜まる時は交感神経の働きで膀胱の壁の筋肉は弛緩し膀胱の出口の筋肉は締まります。
150ml位から尿意を感じ始めますが健康な人なら300ml位は軽く溜められるはずです。
排尿する時は副交感神経の働きで膀胱壁の筋肉が収縮し、出口の筋肉は緩みます。1回の排尿量は普通200~300ml位で、30秒以内に排尿は終了します。

過活動膀胱の病因は神経因性と非神経因性に分類されます。

神経因性
  • 脳血管障害(脳出血、脳梗塞)
  • パーキンソン病
  • 認知証(脳血管性、アルツハイマー病)
  • 脊髄の病気(椎間板ヘルニヤ、脊柱管狭窄症、頚椎症、外傷など)
非神経因性
  • 加齢の影響
  • 骨盤底筋(尿道や膣周囲の筋肉)力の低下
  • 前立腺疾患
  • 原因不明(慢性炎症、知覚過敏、等)

などですが一番多いのは女性の骨盤底筋力低下や加齢、原因不明の場合です。

尿意切迫感は自分の意思とは関係なく、あたかも電気のスイッチをONにすると電球がパッとつくかのように突然起こります。
「トイレに行こうと思ったとき」、「水の音を聞いたとき」、「冷水で手を洗ったとき」などがきっかけとなることもあります。

治療

骨盤底筋の筋力低下があれば骨盤底筋体操で筋力強化を、前立腺疾患があれば前立腺の治療をします。
原因不明の場合は膀胱に働いての膀胱の過敏性を低下させ、膀胱筋肉が突然収縮しようとするのを抑える薬などでしばし治療します。