八十八夜…と言えば、立春から数えて八十八日目、5月2日頃にあたります。この頃採れたお茶はその年の一番茶にあたり、冬の間に蓄えられた成分が凝集されているので極上のものだそうです。私は1日一回朝ごはんの前にお茶を飲みます。最近は葬式で頂くお茶が半分近くを占め、おいしいお茶を飲む機会が減りました。
台湾旅行に行った時、
台北市内半日観光“無料”、の言葉にひかれ無料観光に参加しました。観光ルートの中に土産物屋や足つぼマッサージの店が入っていて、バスの乗車客は自動的に連れて行かれる仕組みでした。その中でウーロン茶屋に行ったときに日本語が流暢な店員さんに“皆さんの飲んでいる緑茶はウーロン茶と同じ葉っぱなんですよ~。”と教えてもらいました。何と、緑茶、ウーロン茶、紅茶はすべて同じ茶の木なのだそうです。緑茶は摘んできた茶葉を蒸気で蒸します。蒸すことにより葉の中の酵素などの生物反応が停止します。その後冷却、揉み、乾燥の過程が加わって製品となります。ウーロン茶は摘採後の葉を、温度、湿度、通気を調整して撹拌させながら発酵させます。ある程度発酵したところで釜炒りして発酵を停止させます。揉んで封じて仕上げます。半発酵茶です。紅茶は茶葉が赤褐色になるまで発酵させて最後に加熱乾燥して仕上げます。完全発酵茶です。
お茶は、種類や淹れ方によって、苦味、渋み、旨味が微妙に違います。
玉露は摘葉前にお茶の木を日光が当たらないように遮光して育てる(被覆栽培)のでタンニン(カテキン)の生成が抑えられ煎茶より少なくなります。また玉露は50度前後のぬるい温度で淹れられることにより旨味となるアミノ酸成分だけが溶出し、かつタンニンは溶出されにくくなります。熱い湯で淹れればタンニンがたくさん出てきますので渋みが強くなってしまいます。緑茶と紅茶は同じお茶の木でも紅茶の木は種類が少し違いカテキンをたくさん含んでいます。そのため紅茶の方が渋みは強くなります。紅茶独特の赤みはカテキンが酸化発酵されてお湯の中に溶け出たものです。紅茶では沸騰したお湯を注ぐのは、香りや渋みの成分を引き出すためです。
ほうじ茶のように高温で焙煎するとカフェインは飛んでしまうので少なくなります。
赤ちゃんや乳幼児、寝る前などにも安心して飲めます。ほうじ茶では煎茶には豊富に含まれるビタミンBやCも減ってしまいます。ほうじ茶は、口当たりがよくさっぱりしていて、香ばしくておいしいです。ビタミンCは煎茶で最も含まれウーロン茶では激減、紅茶には全く含まれません。製造工程の違いによるからです。関東以北ではほうじ茶の事を”番茶“と呼んでいますが、番茶は広い意味では煎茶に対応する言葉で、煎茶が、一番摘み、二番摘みの葉であるのに対し、番茶は三番、四番摘みの葉を原料とし、次期の栽培に向けて枝葉を整形したときの切り落とし茶葉(秋冬番茶)も用いています。若葉を主体とする煎茶と違いタンニンが多めでカフェインは少なくなっています。味は蛋白となり渋みが強くなります。
緑茶や紅茶に含まれるカフェインの量はコーヒーの2分の一から3分の一位です。コーヒーと違ってお茶は何杯も飲んでしまう事が多く、結局コーヒーより多くとってしまう事になりかねません。夕食後の飲みすぎは不眠や夜間頻尿の原因となります。