「ふりむかないで~♪」というのはエメロンシャンプーでした。ところで、石鹸とシャンプーの違いは何でしょうか?なぜ石鹸で汚れは落ちるのでしょうか?

 まず身体や髪の汚れについて考えてみます。垢、汗、皮脂、蛋白質、ほこり、泥、細菌などが汚れの原因です。水で洗えば落とせるものが大半ですが、脂分は落ちません。脂分を落とすには脂と洗浄水とが混じりあうことが必須です。そこで活躍するのが界面活性剤です。
 界面活性剤と言うのは水と油のつなぎ役です。界面活性剤は両面を有し、一方が水に着きやすい構造(親水面)で他方が油に着きやすい構造(疎水面)になっています。脂の周りを疎水面が取り囲むと反対側の親水面は水に着きやすい構造になっているので脂が水に取り込まれます。油が水に溶け混むことになります。この時に十分な界面活性剤の数が必要です。皮膚や髪に界面活性剤をこすり付けると脂分の汚れを界面活性剤が取り囲んで水の中に取り込み汚れを落とすことができます。また界面活性剤は水の分子をばらばらにする(表面張力を無くす)ので線維などの中に入り込んでいき汚れを浮き立たせます。洗濯石鹸の効果です。
 実は石鹸もシャンプーも界面活性剤の仲間です。石鹸は脂分(牛脂、植物油など)とアルカリ(ナトリウムやカリウム)を混合して作ります。ココナツ、ヤシ油、オリーブ油などを原料として、観光地などでは昔ながらの手作り石鹸を売っています。もちろん家庭でも作ることができます。ナトリウムが主体の時は融点が高いので固形石鹸となり、カリウムが主体の時は融点が低いので液体石鹸(ボディシャンプー)となります。
 
 
 なぜ髪にはシャンプーを使うのでしょうか? 髪の毛の表面はキューティクルと言う魚のうろこの様な表面になっています。細胞が一方向に並び、鎧の様に髪の内部を守ります。石鹸などのアルカリで洗浄するとキューティクルが開き、髪の毛の表面が波だったように荒れてしまうのです。そのため石鹸シャンプー後は酸性のリンスで中和する必要があります。また石鹸は水道水中のマグネシウムやカルシウムイオンと結びつき石鹸カスとなり髪や頭皮にこびりつきます。シャンプーは石鹸成分が少ない界面活性剤で出来ているので頭皮や髪への負担が軽くなっているのです。
 ♨で石鹸が使えないのは温泉の成分と石鹸が結合しカスが大量にできて界面活性剤の能力が落ちるからです。泡立ちは石鹸の洗浄力の目安です。泡が汚れを落とすわけではありませんが、泡立ちは界面活性成分が十分含まれているという状態をあらわしています。
 石鹸やシャンプー洗剤で肌荒れがするというのは保存料や香料など添加物成分によるアレルギーの場合と洗浄作用により肌の脂分が無くなり肌のバリアー効果が消失した影響です。
 ジューソー(重曹)で汚れが落ちるのも石鹸の原理です。ジューソーはアルカリです。汚れの成分中の脂分と反応して石鹸を造り汚れを落とします。
 
 余談ですが、石鹸やシャンプーは下水から河川に流された場合環境汚染の元となることも知っておかなければなりません。