酒の始まりは熟れた果実に付着した微生物が果汁を発酵させ自然のうちにアルコールができたことによります。

 紀元前のかなり昔からあったと言われています。“酒は百薬の長なり”というのは中国のことわざですが、吉田兼好は徒然草の中で“酒は百薬の長とはいうけれど万の病は酒より始まる。”と言っています。
さて、日本でのアルコール消費量ですが西欧の6割程度と言われています。日本人ではアルコール分解酵素を持たない人や弱い人が4割いることを考えると、常習飲酒家の飲酒量はフランス人やスペイン人に匹敵しています。
2~3年前のことですが、私は人からどのくらい酒を飲むのかと尋ねられた時に思わず実際の量よりも少なめの量を言ってしまった記憶があります。その時に自分は人にうそをつくくらい酒をたくさん飲んでいるのだな。と気がつきました。私は10年前の休肝日は年に数回でした。最近は週2回位です(年末年始を除く)。休肝日をとれるようになったきっかけはキリンのフリー(ノンアルコールビール)です。初めは月1回の休肝日でしたが、アルコールを抜いた翌日は身体が軽くなり、酒がうまくなるのを身も持って体験したら月1回が月2回に増え今や週2回です。

健康的な飲酒量とはどのくらいでしょうか。

 適度のアルコールは善玉コレステロールを増やし、血小板が固まる(=血栓ができる)のを抑え、ストレスの軽減作用があります。疫学的には日本酒換算で1日に1~2合であれば、全く飲まない人や3合以上飲む人より心臓発作が起きにくいと言われています。これは酒を飲めない人が無理をして1合飲みなさいということではなくて、1日に3~4合飲む人は1合にすれば長生きできますよという意味です。

 アルコールをたくさん飲むとどうなるでしょうか。男性の場合日本酒換算で1日に3~4合以上(ビールなら500ml缶で3本、焼酎(25%)で2合以上)で、15~20年経過すると肝硬変や肝臓がんになるリスクがかなり高くなります。もちろんこれ以下の量でも、GOT、GPTやγ-GTPが高い人は肝臓障害があるわけですから飲酒量を控える必要があります。女性では男性に比べてもっと少ない3分の2の量で同じように肝硬変や肝臓がんの危険が高くなります。これは女性の方が体格が小さいことや女性ホルモンの影響と言われています。
 
 アルコールは肝臓で分解されアセトアルデヒドになります。アセトアルデヒドは毛細血管を拡張させて顔を紅潮させます。アセトアルデヒドは分解されて酢酸(酢)になりさらに酢酸が分解されて水と二酸化炭素になります。アセトアルデヒド分解酵素が弱い人はアセトアルデヒドが体内に貯まり顔が赤くなります。このアセトアルデヒドは発がん作用があるために食道がんの発生を高めます。アルコール常習者や顔が赤くなる人、アルコールと一緒に喫煙する人では食道の検査を定期的にした方が良いでしょう。
 
 最近の傾向として女性の飲酒が増えていますが、妊娠中のアルコールは控えましょう。原則は飲まないことです。胎児の成長障害、低知能、催奇性などの問題があります。また仕事人間が定年退職後に目的を失って昼から飲酒する人も増えていますので気を付けましょう。
思い当たる人は、今年は休肝日に挑戦してみてはいかがでしょうか。まずは月に1回から。