耳飾りの歴史は古く紀元前のエジプトの人像に見られます。日本では古墳時代の埴輪や仏像の中に耳飾りをしているものや耳たぶに穴の開いているものが見受けられます。鎌倉の大仏様にも耳たぶに穴が空いているのを知っていますか。これらの耳飾りは、悪魔払いだったという説があります。その昔、太陽や火がそうであるように光り輝くものは魔物の住む闇を遠ざけようとする魔除けの効果があると考えられて来ました。体に輝くものを身につけることによって体を護る効果があると考えてきたようです。指輪、ネックレス、ブレスレット、イヤリング、ピアスみな同じ様な意味合いがあります。また昔から悪魔が入るのは穴の空いている所からと思われていました。日本では玄関に御札を貼る習慣がありましたし、西洋ではドラキュラ除けにひいらぎの葉を玄関に吊るします。人間の場合耳の穴を守るためにピアスの習慣があったとしても不思議ではありません。あなたが何気なく開けたピアスにも実は何千年も前からの人間の古い歴史があるのです。ピアスは自分で見て楽しむというよりは人に見られて楽しむ要素が大きいのでしょうが、自分で見えないだけになおざりにしがちです。せっかく開けたピアスですから大事にしてください。

①感染症

ピアスの後が汚くなったり塞がってしまう一番の原因は細菌感染です。人間の顔、頭髪、手、いろいろなところにたくさん細菌がついています。皮膚は頑丈にできていて細菌が中に入りこまないようにできています。ここに穴(トンネル)を空ければ皮膚のバリアーは破れ、ここから細菌が入ってきます。ですから穴を空ける前に耳たぶの裏と表を消毒薬で充分消毒する事が大事です。もちろんピアスも充分消毒薬につけておきます。穴を開けた後はこのトンネルに細菌が入りこみやすいので1日に朝と夕の2回消毒してください。3~4週間もするとこのトンネルの壁が新しい皮膚で覆われ細菌に強くなります。それまでは良く消毒する事が必要です。その間にさしかえるとせっかく張ってきた新しい皮膚に傷がつき細菌に対しても弱くなってしまいます。1ヶ月は我慢してください。

②金属アレルギー

細菌に一番強いのは18Kのピアスです。純度の高い金の持つ殺菌効果のためですが、ピアスが全部18Kでできているわけではありません。鉄や亜鉛などの金属で輪郭を造りその上に18Kメッキがしてあるわけです。ですから傷がついていたりメッキがはげているとそこから金属アレルギーを起こして皮膚の治りが悪くなり細菌にも弱くなります。またきれいに穴が空いた後でも金属アレルギーを起こすことがありますのでピアスがあわない時は専門店の方に良く相談してみてください。

③入浴と水泳の後

濡れたままだと細菌が住みやすくなります。良く乾かした後消毒してください。化粧品やシャンプーなどもつかないように注意して下さい。ついたら良く洗い流して下さい。

④1年間は

太目のピアスをつけ穴の縮小を防ぎ着脱で傷をつけないように注意して下さい。途中で痒くなったり赤くなったりしたら感染やアレルギーの可能性があるので早めに相談してください。