肉、魚、穀物などを塩漬けにして貯蔵する方法は自然の知恵として太古の昔から行われていたことです。

 肉や魚、穀物のたんぱく質が発酵され旨味(アミノ酸)となって汁に味がつきます。これが醤油の起源です。魚を成分としているのが魚醤であり、穀物(大豆や小麦)を成分とするものが今日の醤油となっています。私たちの毎日の食生活に欠かせないものです。しかしその一方でこの醤油のために日本人の一日摂取塩分量(11-12g/日)は欧米人に比べて格段に多いものとなっています。厚生省の塩分摂取量基準の目標値は(男8g/日:女7g/日)です。 

ここで質問です。

□味噌汁やスープを一日2回は飲む
□竹輪、蒲鉾、ハム、ウインナーが好き
□梅干し、漬物、つくだ煮などを毎日食べる
□外食が多い
□インスタント食品やお惣菜をよく食べる
□うどん、そば、ラーメンなどの汁を飲む
□寿司、丼ぶりものが好き
□魚干物、明太子、いくらなどが好き
□お煎餅やスナック菓子が好き
□醤油はたっぷりかける
2つ以上チェックが入ったら要注意です。

そこで対策ですが、

 【減塩塩】塩分が50%カットされています。その分塩化カリウムでしょっぱさを出しています。私も使ったことがありますが塩味が少しきつい感じがします。腎臓病が原因で高血圧の人は使用できません。腎臓が悪いと高カリウムとなり不整脈を誘発する危険があるからです。
 
 【減塩醤油】醸造された醤油より塩分を除いて減塩しています。アミノ酸などのうまみ成分は醤油と変わりありません。手間暇かかる分少し高値です。最初から塩味を薄くすると雑菌の繁殖など製造工程に問題が生じるようです。
 
 【淡口醤油】は色が淡いので薄味のように感じます。関西でうどんを食べるとツユはこの淡口醤油で味付けしてあるのでツユの色は淡いです。濃口醤油より塩分濃度は少し濃いのだそうです。減塩効果はありません
 
 【カリウム】カリウムはとった量に比例して身体からナトリウムを尿に排泄します。生野菜や果物にカリウムは豊富です。
 
 【その他】ソースやケチャップにも塩分がありますのでかけ過ぎは禁物です。高血圧の人の理想の1日の塩分は6gと言いますが、カップヌードル1杯が塩分を5gも含んでいます。インスタント食品は塩分が多いものがたくさんありますので食べすぎ注意です。梅干し1個は0.5-1.0gの塩分があります。私も血圧が高めなので自分なりに減塩対策をとっています。
 
 

私の実践方法は

1. 味噌汁は1日1回です。味は薄くしないで器を小さくして飲む量を減らしている。
2. 納豆のたれは少し残しで全部入れない。
3. 刺身の醤油はなるべく少しに。
4. 冷奴はたまに醤油を付けずに食べる。大豆の味がよくわかります。
5. 外食時、せいろそばはまず最初の3分の一はツユを付けずにそばだけ食べる。そばの味と香りがよくわかります。
6. ラーメンはツユが飲みたくなるが、ツユは半分以上残す。
7. 明太子や塩鮭、漬物はほんの少しで我慢。
8. カリウムをたくさん取るようにする。
9. 注ぎ口の小さな醤油さしにしている。
 

うめやま医院 高崎市 泌尿器科